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瓢箪

開山忌(かいさんき)

2019年3月31日

4月3日は黄檗宗宗祖隠元禅師の開山忌いわゆる祥月命日です。
京都の宇治にある黄檗宗大本山萬福寺では、この日全国から黄檗宗の僧侶や檀信徒が参集して盛大なご法要が営まれます。
隠元禅師は、承応3年(1654)63歳という高齢をおして渡来され、日本文化に多大な影響を与えられました。
禅師が伝えたものにはインゲン豆、スイカ、茄子、もやし、蓮根、孟宗竹等の食材や胡麻豆腐、胡麻和え、ケンチン汁などの調理法そして煎茶、釜炒り茶、印鑑、象眼、ダイニングテーブル、明朝体文字などがあります。そのほとんどが、現在日常茶飯事目にし、口にし、そして手にするものばかりです。
萬福寺の総門を入ると、江戸時代の女流俳人菊舎の句碑があります。
「山門をいずれば日本ぞ茶摘み唄」
初めて萬福寺を訪れた菊舎は、異国情緒豊かな境内を見て驚いたことでしょう。
皆様も、隠元禅師のはたされた偉業を顕彰しながら、境内を散策してみては如何でしょうか。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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竹線香

2019年3月28日

長崎の墓所は、寺の裏山の斜面にあります。
昔は、上に登れば登るほど身分の高い人の墓といわれていましたので、興福寺でも、一番上は歴代の住持達の墓、そしてその下に豪商の中国人檀家達の墓地があります。
その墓所に、檀家さんたちはお花や水をかかえて登っていくのですから、墓参りも大変です。

さて、長崎では、墓参には墓参専用の「竹線香」を使います。ちなみにこれを自宅の仏壇で使うことはありません。
竹ひごにお香がまぶしてある、所謂中国線香のようなものです。一袋が一回の墓参用で、120円と大変安く、仏具屋ばかりか、コンビニなどでも買い求めることができます。線香の下の部分にはお香がまぶしてないので、水にぬれた線香立てにさしても、線香が途中で消えない工夫です。
仏壇用の線香と違って、香りがたかいので、墓所からその線香の香りが漂ってくるのもまた風情です。
それにしても、長崎の人は本当によく墓参りをなさいます。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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結岸(けちがん)

2019年3月24日

3月24日は結岸(けちがん)、春彼岸の最終日です。
彼岸中は各寺院でご法要があり、精進料理でのお斎(とき)がふるまわれます。お煮しめや白和えなどの和えもの、おにぎり、いなり寿司などがその献立です。
精進料理とは、もちろん、お肉やお魚を一切使わない料理で、お野菜や乾物、海草、穀物などで調理します。これは、お釈迦様の殺生を禁じられた教えにしたがうもので、仏道修行に励むものへの戒律であります。
しかし、精進料理は手間がかかって大変でしょうと言われる方がおおいのですが、なによりも、お肉やお魚のように臭みをとったり、血抜きしたりなどの手間がかからないだけ、簡単なのです。
春は、沢山のお野菜が出回るので嬉しい悲鳴をあげたくなります。さて、このお野菜をどのように調理しようと考えるとうきうきします。
一番簡単なものは「おひたし」。
ゆでたお野菜を、昆布出汁につけ込むだけ。そこにほんの、ほんの少しの薄口醤油をおとすだけですが。そのままできれば一時間ほどつけでおくと、お野菜のうまみをそのままいただけます。
台湾の方々は、月一度は精進料理をいただくのだとか。
私たちも、台湾の方々のように、たまには精進にして、改めて食べ物への感謝の心を持ちたいものです。

画像は諫早市の性空寺様の普茶料理です。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。 https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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春彼岸

2019年3月18日

18日から24日まで春のお彼岸です。
お彼岸はご先祖を供養するものです。
各寺院では、彼岸中に先祖供養の法要が行われます。
お寺での法要に参列したり、墓参をしてお墓のお掃除をし、花を供へご先祖にお参りをします。
お墓といえば、長崎の墓所はそれぞれに大変広く、2坪や3坪ほどのものから大きなところでは20坪ほどの広さありますから、お掃除となると大変です。
また長崎では、寺の裏山の斜面に墓所がありますから、お花やバケツに汲んだお水をかかえて登って行くのは重労働です。
それでも長崎ではお墓参りをかかさない人が多いように思います。
なんといっても、墓でのお掃除が済み、線香をたむけると、心がすっと落ち着くものです。
墓参が大事なことは、お墓へ行く、あるいはその帰りの道すがらに亡くなった両親や親類の故人のことを想うもので、なによりも一番の供養は、亡くなった人のことを、いつまでも想う気持ちです。

<墓参の仕方>
・ご本堂で、墓地に眠るご先祖をお守り頂いているご本尊様にお参りをする
・墓所では、まず合掌をしてお参りをする。
・墓所内の清掃=石碑を洗う、墓所内の雑草をとる、落ち葉などを掃く。
・自分の墓所だけでなく、墓所の周りの通路などのお掃除も。
・水や花、お菓子や果物等を供える。
・線香を供えて合掌、礼拝をしてお参りをする。
・供えたお菓子や果物は、その場で、もしくは持ち帰って皆でいただきましょう。
・最後に、ご本堂でご本尊様にお参りをする


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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春あさし

2019年3月11日

ホトトギス・新歳時記によれば、「春にはなったが、なお寒さが残り、春色のととのわないころを春浅し」といいます。
境内の花桃はまさに今満開で、遠くから見るとまるで木が燃えているように見えます。
しかし春とは名ばかりで、他の木々の芽は固く、まだまだ厚手の羽織るものをてばなせないこの頃です。
そのようななか、 野菜屋では菜の花や蕗の薹、空豆などの春野菜が顔をそろえて、なんとなくこころがうきうきしてきます。
早速今夜あたり、菜の花を辛子のぴりっときいた酢みそでいただいてみましょう。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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啓蟄(けいちつ)

2019年3月1日

二十四節気の第3節目で、3月6日頃を言います。
「啓」とは動作や行動を意味し、「窒」は冬眠の状態をいい、冬眠していた虫たちも土から顔をのぞかせる日です。
山々では鳥たちも鳴く声を聞かせ始めます。
境内の老梅も満開。
梅の季語は「初春」。まさに春だと感じさせるここ数日の暖かさです。
春到来。今月はお彼岸会も催されます。


◎興福寺の動画は下記でご覧になれます。
https://www.youtube.com/channel/UCVLP7ZjT2kXlQts0DGjNZKQ

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